2019年ぶりの奈良。ちょうど同じくらいの季節に行ってた。
その時も大阪から奈良に近鉄奈良線を使って向かっていて、都市から離れ、坂を上りながら段々と山に近づいていくと同時に、どーんっと広がった窓からの景色に釘付けになったのを覚えてる。写真を撮ろうと思った時にはもう遅くて、次にまたこの景色を見れる時はカメラを構えておこうと決めていた。
近づく山。きっともうそろそろだ、とカメラを手にしながら窓の外をずっと見てた。
きた、ここだ。
いきなり目の前いっぱいに大阪の街が広がっていて、街を歩いてる時はただただ目の前の大きなものたちに目を奪われていたから、こういう風に広く見渡せた時になんだか感動してしまった。電車に乗っていていきなりこの景色が出てきたということもよくて、景色を求めてここにいたわけじゃなくて、予想してなかったから余計に。
関西に来て、見たかった景色のひとつが見られて嬉しい。
トンネルを抜け、山を越え、田畑を抜けたら、奈良に到着。
近鉄奈良駅。奈良公園が近くて、電車で来たことのある奈良というとここだけかも。
フォトウォークイベントで来ただけだったから奈良公園以外にほぼ行ってない。中学校の修学旅行ではあちこちを回っていたはずだけど、もうあまり記憶がないなぁ。
今回は奈良公園ではなく本巡り。気持ちよく晴れていて歩き回るにはぴったり。
奈良公園の手前のあたりで曲がって通り抜けて行こうと思っていたら、あれ、通れない。工事中だった。
Google先生にはここを通れと言われていたんだけど仕方ない。奈良公園の方まで行くか。
奈良公園〜、、一人じゃあんまり通りたくないんだよなぁ、、。
鹿パラダイスじゃん、あのへん。どの方向から近づいてくるかわからないからこわい。
あ、ここらへんからか。
鹿せんべいをあげてたおねーちゃんたち、終わったあとも後を追われてる。
ここは不思議なとこだよね〜。鹿がそこらに溶け込んでる。
道を通り抜けるだけで十分鹿を見た。
賑わいを抜けると、一気に生活の街っぽくなった。いいな、この道。
せっかくだから大通りでなく、横道に逸れてみた。大きな階段を下ってみると、池?
でっかい。
降りてみてから気づいたけど、この大きな階段には見覚えがある。ここに来た記憶というより、ここで撮られた写真を見たことがある記憶。修学旅行か。
猿沢池、というらしい。
ならまちの方へ向かって歩いていると不思議なオブジェ。と公的っぽい施設。
五重の塔からはこの距離。
奈良市ならまちセンターって書いてある。入ってみると4階に図書館が入ってた。
気になったから行ってきた。最初は料理本コーナーを見て夕飯を考えてたりしてたんだけど、途中でコンビニ人間を見つけて読み込んでしまった。いつか読もうと思って読んでなかったからつい。
このままいたら日が暮れちゃう。再出発。
4階でエレベーター待ちをしてたときの景色。窓から見えた、ならまち方面。山並みが見えていいね。
さっきの道に戻って、ならまち方面へてくてく。
さっきからならまちって書いてるけど、どこからどこがならまちなのかは今になってもよくわからない。
ならまち工房へ到着。
今朝、奈良の本屋さんを調べていたらちょうど今日がプレオープン日だという本屋さんを見つけて、その場所がここ、ならまち工房。つまりは勢いで来た。
お店の名前はitoitoさん。ならまち工房の2階に入ってる。
ちいさい店舗の中にぎゅっと優しい本たちがつまってた。お店のお二人が優しい雰囲気で、本を買いながら今朝プレオープンのお知らせを見て来たって話をしたら、「今朝、なんとなく開けてみようかって急に決めてお知らせを出したんです」って言ってて、開けてよかった〜って来たことを喜んでくれた。勢いで来てみてよかった。
店内には絵本やポストカードなど、ほんわか温かみを感じるものが多かった。本も安達茉莉子さんの本やZINEも多くて、わたしと本の趣味が近い人はきっと好き。
じっくり悩んで選んだ2冊。
itoitoさんはネットショップもあるし(かわいい)、選書もとてもいいので見てみて。
さて、街歩き再び。Google検索で出てきたならまちを目指す。
電柱にも鹿。
駐車場にも鹿。
鹿の飛び出し注意の看板がそこらにある。
街並みがいいねぇ。普段見るような家に混じって古都の家がある。
ふらふら歩いていたら酒屋があった。
果実酒っぽいのが並んでるな〜って近づいてみると、へぇ吉野のお酒。
吉野って地名は聞いたことがある。奈良の友達が好きでよく話してる地域だ。
よく見ると利き酒ができるって書いてある。柿のお酒なんて初めて見たから飲んでみたい。勢いでいっちゃえ〜!
入ってみると、あれ、誰もいない?って思ったら奥の方からおばちゃんが出て来てくれた。親戚みたいな、話してて嬉しくなる距離だった。
柿のお酒は、まんま柿!擦りおろしたような、ざらっとした果肉がたっぷり。デザートみたい。
お酒を飲みながら奈良の街のことをいろいろ聞かせてくれた。楽しいお店。
空きっ腹でお酒を飲んだけど少しだからほろ酔いくらい。上機嫌で散歩は続く。
なんか静かだけど柔らかい雰囲気もあってこのあたりの道は好き。
あとお洒落なお店が潜んでて急に出てくる。ここは紙モノの文具屋さん。黒板の字が可愛かったなぁ。
そして次の目的地に到着。
一瞬なんだかわからないけど、実は観光案内所。
観光案内所っていうとお堅いイメージがするけど、びっくりするくらい素敵な空間。
鹿の舟、という名前の総合施設で、観光案内所のほかに食堂やティールームも。
わたしの目的はここ。観光案内所内にある、本棚。
ここの本たちは自由に読める。隣に大きなテーブルがあって、そこでゆったり。
テーブルの奥は大きな窓があって、そこから見える木々の緑が綺麗で揺れが穏やかで、いい、ここ。読書に最高。
持ち帰り自由のフリーペーパーもあって、写真が素敵だったから手に取っていくつかいただいてきた。これはまさかの奈良ではなく千葉の房総のフリーペーパーだったけど。
思わず長居したくなる、いいところだった。
そんなこんなでいい時間になって来たからここで折り返し。
せっかくだから来たルートとは違う道で近鉄奈良駅に戻る。ぐるっと丸を描くように歩いてく。
途中でカメラの修理屋さんを見かけた。
ゆるーい坂道のある道をまっすぐ。
歩いているとちょこちょこと気になるお店が出てきて、その度に覗いて行った。
なんでか植物を店頭で売ってるとことか。
代金は缶に入れて、袋はここに置いてる紙袋を使ってね、って。ゆるくていい。
雑貨屋さんでやってた藍染展を見てみたり。いい色。
その辺を見上げたら、格好いいなぁって目を奪われたり。
そんな楽しい道であっという間。気づいたら商店街のとこまでやってきた。
ここは急に賑わってたなぁ。もう駅が近いのかな。
商店街を抜けたら駅なのかと思いきや、まだだった。道を挟んだ。
もうひとつ商店街を抜けて、今度こそ駅。
ただいま、近鉄奈良駅。