10月。鬱々としていた。
食事が栄養補給のためだけのエサのように感じるようになって、段々と食べることもめんどくさくなった。夕飯の代わりに睡眠導入剤で強制シャットダウンっていうのをしばらくやってたら4キロ落ちてたし「負のオーラが酷い」とか言われるようになった。
「鬱々してないで山に行こう!山に登ってご飯を食べればなんでもおいしい!」
って誘われて、このとき登山自体にはあまり興味はなかったけどこの日々が続くのはやばいよな~と思ってお誘いに乗っかった。こんなやつ連れ出してくれてありがとう。
そんなわけで、行ってきました上高地。
名前の響きくらいしか聞いたことなくて、地図や写真を見てもイマイチぴんとこなくて、結局よくわからないまま当日を迎えた。まぁ目の前のことを楽しんだらいいさ~。
とりあえずこの1週間で夏の終わりの気候から冬の気候に一気に変化したらしく寒さ対策は必須。それだけやった。
、、、全然足りてなかったけど。
荷物、リュックにぎっしりになって12キロもあったのになー。
ちなみに用意した寒さ対策
- 上は重ね着(ランニング用インナー、山シャツ、パーカー、ウインドブレーカー、ジャケット)
- 下は山用厚手靴下、雪山向けタイツ、山用パンツ
- ネックウォーマー、耳当て、手袋
- 貼るホッカイロ
出発の数日前にモンベルに駆け込んでいろいろ買った!
タイツとか悩んだけどビビっていちばん強そうなのにしたよ。
「スーパーメリノウール EXP.」ってやつ。
あとホッカイロ!貼るタイプにして大正解だった~~~!
ホッカイロのおかげで生きて夜を越せました。ありがとうほんとに。
さて、記録がてら写真多めで書いていきます。
スクロールバーを見たらわかると思うけどものすごく長いよ。
1日働いてその夜、登山リュック12キロを背負って東京駅へ。もうこの時点で肩が痛い。
ちゃんとした登山リュックだと腰で固定するベルトが付いているらしいけど、わたしのなんちゃって登山リュック(10年前に購入)には何もないので全てが肩に伸し掛かる。ぐえ。
高速バスの出発時間までちょっと駅の周りをお散歩。ライトアップしてない丸の内駅舎が新鮮だった。月が綺麗に見えた。
上高地行きの高速バスはガラガラで、わたしたちの他は2人だけ。
まわりを気にせず思いっきり椅子を倒せて快適~。ではあったんだけど高速道路で揺れる揺れる。
ガタッ!ガタッ!っていうのと、ガッタッタッタッタッ!っていうのが地味にくる。なかなか眠れないぞこれ。
出発して1時間くらいで談合坂SA。
なんか名前に聞き覚えがあるなって思ったらツーリングの待ち合わせで来たところじゃん。あはー、全然地名を覚えないなー。
そして再出発。
この先はどうにかして寝とかないと登山でバテる。ということで強制睡眠。
おやすみなさい~~~。
何かまわりの動きを感じて(声かけられてた?)起きたら、え?あ?もう着くの???
あばばばばば。
慌てて荷物をまとめて防寒具を身に着けギリギリセーフ。
「大正池」という池の手前のバス停で下車。
時刻は5時くらい?まだ真っ暗!
バスを降りてバスが出発していった後の心細さよ、、。しゅん。
ここからはヘッドライトを頼りに進んでいきます。
ちゃんと持ってきてた~。よかった、入れ忘れてなくて。
うわぁ、植物が凍ってる、、。寒いもんな。
空気はひんやりとしていて、でも着込んでるから結構平気。あとまだ未知の世界に浮かれてる勢いのおかげで元気。
暗闇の中をずんずん進む。
この時には不思議とリュックの重さの感覚が消えてた。もう麻痺してる。
階段のようになっている道を降りていくと、暗闇の中に薄っすらと池が見えた。
そしてその上を見ると真っ白な山!
ISO12800で撮ったから明るいけど、実際はもっと視界全体が暗かったよ!
目が段々と暗闇に慣れてきて明るい雪山以外の姿が見えた。
池の前にはいつのまにか何人も人がいて、それぞれがそれぞれの方法で目の前の景色を楽しんでた。
静かでゆっくりな時間。
池に写る山が明るくてくっきりしていて格好いいなって思った。
そのまま池沿いを進んでいく。ヘッドライト必須。
足元が霜?雪?で白かった。
左手側は先ほどの池が続いてる。池に写る空が段々と明るくなってきた。
少し暗くて足元がシャリシャリした道を抜けるとなんだか少し開けた場所。
なんか山がよく見えるスポットっぽい。
ここいらでエネルギーチャージ!って持ってきたおにぎり出したら潰れてた。ぺしゃんこ。
まぁおいしかったから問題なし。
こういう時に食べるのって味がしっかりしてるものがいいんだなぁって思った。寒さで感覚が鈍っててもおいしさがわかる。
おにぎりを食べるために少し座ってたら一気に冷えた。動かなきゃ。
池の方へふら~っとしてきた。
葉の落ちた木があって、迫力がすごい。
こっちにも背の高い木が1本だけ、どんっと。
山の端の空に薄っすらとピンクが見えた。もうすぐ朝。
反対側の池の先の方はまだまだ真っ白。雲が多い。これから進む方向だけどどうなるんだろ。
ひとまず再出発。
ここにきてようやく秋らしい色合いのものを見つけた。
夏の木々の緑と、いきなりそれに降り被った白ばっかりで、赤とか黄色とかのTHE秋がなかなかいない。
紅葉を見に行こう~!くらいな計画だったのにね。予想外のこの季節感。
ついに陽が昇ってきた。
自分たちがいるところにはまだ陽が射さないけど、遠くの雪山が明るい。
浅くてうすーく広がるような池に到着。
近づいて見てみると水の透明度が高くてすごく綺麗。奥の方はエメラルドグリーンみたいな色をしていた。
ここは寄り道しただけでまた元の道に戻る。
さっきの陽が射した雪山、さらに明るくなってる。太陽の光の色を見ると少しほっとした。
ここのこの景色が好きだった。手前のススキも含めて。
いい時間帯に見られてよかった。
そしてこの先。
さっきの景色が綺麗で上がっていたテンションが、寒さによって段々下がってた。
こういうときはカメラ。
気を紛らわすのにカメラはいい。なんかないかなーって探しながら進む。
まだ紅葉し始めの葉。緑の方が多い。
お、なんかある!ってちょっとテンション上がった。橋だ。
田代橋というところまで来た。
橋からさっきの雪山の方を眺めてみると、おお、いい景色!
雪山のあたりもいいけど、手前の川に流れが格好いい。力強い。いろんな青が混ざり合ってるのも。
くるっと反対側を見るとこっちは少し爽やかさの混じる青。これも綺麗。
写真を撮っていたら段々と雲が晴れてきた。歩き始めの頃は真っ白だったのがだいぶすっきりしてる。
さて行くか~って進もうとしたところで、後ろに猿が出現!
え?いつからいたんだろ。全然気づかなかった。
山だと猿ってこの距離で出てくるものなのね、、!(動物こわい)
橋から少し進んだところにテーブル。雪がぎっしりだった。
落ち葉が埋まってる~。
そしてここからの景色が、さっきの橋の上からとまた角度が違って中々格好いい。
そしてこちら。登山の時の推し、マユミ。
毎度見つけるたびに「かわいいなぁ」って癒されてる。
先を進みながらたまに振り返って写真を撮る。空が綺麗。
このあたりでやたらと寄って写真を撮ってる、、。
つまりはだいぶ気を紛らわそうと必死。寒さと疲れで心がバテてる。きっと表情は無だった。
ふと、なぜわたしは休日に修行のようなことをしているのだろう、、、?は思ったw
そして現在地 ↑
河童橋ってところまであともうちょい、、、!
川沿いをひたすら真っすぐ!
川の反対側を人が歩いてた。
またしても後ろの景色をちらり。そんなに好きだったのかな。
!!!
見えた!
河童橋だ~~~!
やった~~~!なんか終わった感~~~!
(※全然終わってなかった)
でもなんかようやくひと段落した。
休憩しよ~!休憩~~~!
テンション復活。
コーヒーを淹れてもらった。あったけぇ、、、!!
あとお湯をもらってトマトスープ!ついでに魚肉ソーセージ。
塩分がおいしい~~~エネルギ~~~!
温かいものが体内に入ると一気に回復するね。
わかりやすく元気になったしテンションが上がった。人間の体ってシンプル。
ここでも推しを発見。かわゆ。
元気になったところで出発!
カメラの撮った写真を見てるとわかりやすい。元気になって楽しくなってる。
気づけば陽がだいぶ高くなっていて気温も上がってきた。
そしてちょうど訪れたのが小梨平という場所。
いい景色が見られる場所があると言われ着いて行ったら、、
おお!気持ちのいい場所!!
視界が開けていて目の前に山がどーん!そしてくっきり!
ここ、いいところだねぇ~。
そして太陽でぽかぽかで気持ちいい~~~。
単純に暖かくて元気が出るのもあるし、あとは太陽の光ってなんかよくわかんないけど勝手にポジティブエネルギーが湧く。
熱海で夜明けを1時間くらい待ってた時も同じことを思ったのを思い出した。
太陽の光~~~ありがたい~~~って心からなってた。
この辺からはもう元気に登山!
そんなこんなで休憩スポットになりそうなところに到着~。
明神っていうところ。
ベンチで水分補給してちょいと休憩~。
そして出発!徳澤まで3.4㎞!
ゴールまでが具体的になってちょっと安心。あともうちょっと~!
雪と陽の組み合わせ綺麗~~~ってのんびりぱしゃぱしゃやってたらみんなが遠くなってた。やばばば。
お。
なんかいた。
こういう顔に見えちゃうやつ大好き。
これ、葉の色の彩度がすごいことになってるけど、レタッチでいじったわけではなく本当にこういう色をしてた。
太陽の光に透かされて鮮やか~。
!
!!
!!!
ついたーーーー!!!!!!!!!
おつかれさまでした!!!!!!!!!!!!
ひとまずテントを張る前に腹ごしらえ。
山を眺めながらぽかぽかの中で食べるカレーおいしかった~~~。
テントの張り方、うろ覚えだったけどなんとかできた。よかったよかった。
まだ午後の全然明るい時間だったけどもう今日やることはなんもなーい!自由だ~~~。
そのへんお散歩したりおやつにラーメン作ったりした。
レッツ、クッキング!
たのしい~~~!
そしてもう眠い。お昼寝だ~~~。
山の上で陽が出てるとはいえ少し寒いけど、テントに入って寝袋に潜り込んだら結構ほかほか。
これなら夜も結構なんとかなるか~、と思って安心して寝た。
さっむ!!!!!
いやいやいやいや、ごめんなさい、舐めてました、普通に寒いです。
ガタガタ震えるほどの寒さではないけど、地味に寒い。地味にじわじわくるやつ。
えー、もうこれは温かいものを食べて解決しよ!
絶対山慣れしている他の人たちが持ってこないだろう(重いから)と思って持ってきたおでん。
あと他にも同じ理由で持ってきた物の数々。
サーモンうまー。里芋うまー。
なんかずっと食べてた。
後半とか、お腹が空いていたから食べたというよりも、寒さによって何かエネルギーを入れとかなきゃまずいっていう謎の体の危機感から食べてた。
自分の体の生き物っぽさを感じた。
お腹いっぱいになったし、さてさて、おやすみなさい~。
で、寝れたらよかったんだけど!!!
ここからが今回いちばん辛い時間だった。
寒いから着込めるだけ着込んで、ネックウォーマーや腹巻、耳当てもつけて、靴下も予備のやつをさらに重ねて履いて、貸してもらった湯たんぽを寝袋に放り込み、足元や腰、お腹、首の後ろの至る所にホッカイロを貼って、ってやってようやく寒さレベルがさっきの「地味に寒い」。
寒いしお昼寝しちゃったもんだからなかなか寝付けない。うあ~~~。
というのと、寒さもあってトイレが近い。
でも今この寝袋を出てテントも出て外の気温の中を歩く勇気はない!いやでも。うーん。いや、やっぱ無理、寒い。のエンドレス。
結局寝たんだか何だかよくわからない時間を過ごし、早朝に気合いで外に出た。
あー、すべてがしんどかった。こんな待ち遠しい朝はなかなかなかった。
明るくなってきてからよく見たらテントは凍っていたし、話を聞いたらマイナス7度とかだったらしいし。そんな気温になることあるのか。
温かいスープが染みわたる、、、。うまぁ、、、。
続々と温かいものが、、、。
そして明るくなった頃にちょっとテントに籠って寝た。
ら、起きたら結構な時間になってた。
あれ?え、みんなテント片し終わってるwww
ごめんなさいごめんなさいごめんなさい。慌ててわたしも撤収~~~。
お世話になりました!
では今日も頑張りましょ~。
天気が崩れる前に下山するぞー!
行きよりもさくさくと進んであっという間に明神。あれ?ほんとに早い。でも全然きつくないから不思議。
あーっというまに小梨平まで帰ってきちゃった。下りだとそんなもんなのかな。
天気が崩れ始めて曇りな時間が多かったからあんまり写真を撮ってなかったからっていうのもあるかも。
途中で猿の群れとすれ違ったのはハラハラした。
行きで絶景だったスポットも曇ってると全然違った景色だった。
というか行きの時のあの景色は特別だったらしい。あんな風に見えるのが当たり前ではないのねー。
帰りは行きとはコースを変えて川沿いを歩いていくことに。
陽が射してきたときの川の水がキラキラと綺麗。
でもまた曇っちゃったり~を繰り返し。
帰ってきました、河童橋。
ここも昨日とは全然違った景色。
そっかー、昨日は本当に運がよかったのねー。いいタイミングで来られてよかったよかった。
あ、昨日は寒さと暗さで気づいてなかった川の下の緑が綺麗だった。
こんな濃い鮮やかな緑が川の底にあるのってあんまり見たことがなかったからしばらくじっと見てしまった。
河童橋の周りも昨日の早朝とは全然雰囲気が違って人がいっぱいいて観光地な感じがした。
昨日の朝はあの冷え切った中にいたからか、なんだか変にその辺の人にも仲間意識があって勝手に近い気持ちでいた。
朝の寒さには心やられてたけど、ここでコーヒー飲んだりしたときのあの時間のあの空間の感じはすごくよかったなぁ。って今日の感じとの差で、そういうことを思った。
そしてここから更に下って、今日はバスターミナルへ。
バス待ちをしながらお昼ごはん~。
ここでもカロリーを欲してがっつりなものを食べてた。
いや本当は信州サーモン丼を食べる気満々でいたのに売り切れだったの、、。咄嗟に選んだのがかつ丼、、。
窓から山の景色を眺めてたらころころ雲の様子が変わっていくから面白かった。
こんなにあっという間に変わるもんなんだね。
曇りから少し晴れたかと思ったら小雨が降り出した。セーフ!
まだバスの時間まであったからバスターミナルの近くの施設でのんびり。
思わず見た季節の服装。
うぐぐぐ、一応合ってたはずだけどもっと対策するべきだったんだなー。勉強になった。
今回歩いたルートも地図で改めて見てみたり。
来る前は頭に入らなかった地名もちゃんと認識できるようになった!
あ~、あったかーい。
ってベンチに座ってのんびり。
そして時間になったのでバスに乗って出発~!
あ!昨日の早朝歩いたところだ!って明るい状態で見ると印象が違ってて面白い。
最初の真っ暗な中歩いた階段のところ~。こんな風だったんだ。
ぐっばい、上高地~!
このあとバスの暖かさでぐっすりでした。あぁ、、暖かいところで眠れるってしあわせ、、。
元々は上高地で2泊する予定を寒さにやられて1日早く下山したので、この日は松本にて宿泊。
あぁ、、暖かいところで眠れるってしあわせ、、。
水が痛くないって、お湯も簡単に出てくるってすごい、、。
トイレに行くか我慢するかをを悩まなくていいなんて、、。
とかなんとか言って、もういろんなことへの有難みがすごかった。
一気にしあわせへのハードルが下がった。
鬱々としてたのがぶっ飛んでた。結構ハードなぶっ飛ばし方だったけど。
いやでも普通の生活が有り難く感じられるっていうのは大事だよなぁ。
翌朝の散歩もすごくよくて。
宿に荷物を置いてふら~っとその辺をお散歩。
まず松本駅を通り抜けるとき。ガラス張りの建物だから景色がよく見えて!
駅を通りながら青空と山がぶわーっと広がってるのが素敵だった。
そのまま斜め左側の方へ。どこからでも山が見えるね。
少し歩くと川と橋!
天気がとてもよくて、ぽかぽかと気持ちがいいし、川もキラッキラで気分が上がる。
川の近くにコスモスやふわふわの植物がたくさんで、もうなんでも綺麗。
階段を見つけてさらに川に近づいて。
ああもうたのしい!
朝からこんな風にのんびり過ごせて楽しかったし気持ちよかったなぁ。
すごい勢いで元気がチャージされた。
いい朝の時間でした。
帰りに途中下車で少しだけ寄り道。
諏訪湖を眺めてきた。原っぱのところで座ってぼけーっと過ごしてきた。
風が強かったけど青空が気持ちのいいこの時に来られてよかった。
そんなこんなな上高地+α。
途中でも書いたけど、この数日のおかげで鬱々としていたのがぶっ飛んだ。
今の生活の有り難さが身に染みたし、最高の散歩によって元気もチャージされた。
帰ってきてからよく眠れてるし、ごはんもおいしい。
いつものようにマイペース全開だったけどそれに優しく付き合ってくれた友人たちに感謝です。ありがとう。(またなんかおいしいものを持ってくね)