始発で出かけるのって久しぶり。
あの夜明け前のしんっ、、と静かな時間に出かけるのがすごく好き。
まだ日が昇ってなくてあたりが真っ暗で、車も歩いてる人も少ないから町が静かで、静かだからちょっとした音が遠くまで響きやすくて、気温の低さも相まってこうなにかが張り詰めてるかのような神秘的な空気の時間帯。
同じ場所を毎日歩いているはずなのに時間帯が違うだけで全然違った場所のような印象になるから面白い。
世の中の人の違う時間帯に動くのが好きで、仕事は通勤ラッシュが過ぎ去った遅い時間帯に行って遅い時間帯に帰ってくるのがちょうどいいし、休みは土日祝日よりも平日のほうが嬉しいし、出歩くのは深夜から早朝がいちばん落ち着く。
人が多い時間だとそこを歩いているだけでエネルギーを少しずつ吸われる様な感覚になるのに、この夜明け前の時間だと無敵になれる。
なんだかわくわくして足取りが軽くなる。
駅に近づくとぽつりぽつりと駅に向かって歩いてる人が現れて、勝手に仲間意識が湧いて内心にやにやしてしまう。始発で仕事の人かもしれないのに。ごめん。
始発電車に乗る人は思ったよりも多くて、それなりに席が埋まった。
やっぱり仕事でこの時間に電車に乗る人も多いみたいで、絶対寝不足だよなっていう疲れきった顔がちらほら。電車が動き出して少し経った頃には顔を下ろして眠ってた。いろんな生活を送る人がいる。普段と違う時間に動いてるから見える景色。
静岡県にある沼津に行くのは今回で4回目。
思っていたよりも少ないなと思ったけど、2年で4回も同じ場所に行くのはなかなか珍しい。
東京駅から東海道線に乗ったらそのまま直通。乗り換えなしで行けるかららくちん。
おすすめは進行方向に対して左側の席。夜明け前の真っ暗な世界から夜明けまでをずっと眺めてられる。2時間ほどの静かな映画みたい。
特別なことは何も起きないんだけどそれがいい。
東京駅を出発して少し経ったくらい。空の端がじわりと色付いてきた。
神奈川県に入った。このあたりに友だちが住んでるけどもう起きてるかなーとか考えてた。
戸塚とか大船とか懐かしい。よく来てたなぁ。
川を越えた。だいぶ明るくなってきた。空の色が優しい。
国府津という駅。駅のフェンスの向こうには海。
ついに夜明け。
夜明けの太陽の光って見てると気持ちがぱぁっと明るくなるし温かくなるから好き。
雲のかたまりがあって太陽が隠れてしまったけど、そこからちらりと溢れ出てる光もよき。
力強い。
朝日を浴びてる町って美しい。
お?
人間国宝美術館。
沼津まではあともうちょっと。
電車に乗って座ってるだけだったのにずっといいものを見せてもらった。
楽しかったなぁ。
そして到着。時刻は7時半。
駅には出勤のサラリーマンや通学の学生がたくさん。朝の空気。
港へ行くためのバスに乗るため南口へ。
町の中をまわりながら港へ向かうんだけど、やっぱりこの町好きだなぁ。
15分くらいで沼津港に到着。バスを降りて裏に回るとすぐこの景色。
奥に見えるのは展望水門びゅうお。これを見ると沼津に来たなぁって感じる。
沼津港の横の道を抜けて海のほうへ。
海も山もあっていいところ。
せっかくだから展望水門の方にも。
富士山がくっきり。
天気がよくて気持ちがいいなぁ、って写真をパシャパシャ撮ってたらフォークリフトに乗ったおじさんが「綺麗だよね~。今日は天気がいいねぇ。」ってにこにこ。
あ~いい朝。
今回は入らなかったけどびゅうおの中からの景色もすごくいいんだよね。
いい時間になったからずっと行きたかった食堂に向かう。
ん、、、?道になんかいる。鳥、、、?
すごく自然にそこにいた。
漁港だとそういうものなのかー。
さて、そして到着!
なんでだーーー!!
またしてもフラれた、、。2回目の玉砕。
調べた営業時間情報が古いのかなぁ。昼間はやってるみたいだし朝の営業をやめちゃったのかな。
次回こそここのアジフライを食べたい。
まぁ漁港さんぽが楽しかったからいっか。
最後にもう1ヶ所、この町でいちばん気に入ってる場所。
漁港の裏のバス停の少し先にある道で、この道から見える富士山がなんでか好き。
一直線に伸びた道の先に富士山があって、はじめて来たときにこの景色が好きだなぁって思ってから遠回りになるときもいつも見に来る。
これまで来たときのことを思い出して懐かしい気持ちになる。
また来るね、沼津。