ゲストハウスといえば基本的には素泊まりの宿。
食事に関しては自分で選ぶ。
近くのお店に食べに行ってもいい。
せっかくその地に来たのだからと名物を食べてもいい。
食材を買い込んでゲストハウスのキッチンで作ってもいい。
普通の宿と違ってこの3つめの選択肢があること、それが特に好き。
友だちと一緒にご飯を作って食べたり、ひとり旅のときは作ったご飯をその日宿泊してるはじめましての人たちとシェアしてみたり、そのまま宴会になってたり。
それってなかなか普段の生活じゃできないこと。
食事って人との距離を自然と近づけてくれる気がする。ゆっくりとじんわりと優しいコミュニケーションツール。
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はじめて行ったゲストハウス、長野の下諏訪にあるマスヤゲストハウス。
ひとりで行って町をふらふらと散歩してみたり諏訪湖まで足を伸ばしてみたり、翌日は天気が悪かったからゲストハウスのリビングで本を読みながらだらだらと過ごした。
町のそこら中には230円では入れる銭湯があって、朝5時半から開いているというのもこの町の魅力。
銭湯に入って、散歩して、だらーっと過ごして、って旅先なのにいつもの暮らしの延長のような時間の過ごし方をするのは初めてで、それがとても心地よくてゲストハウスというものにハマった。
ゲストハウスから10分もしないところにスーパーがあるのと、ゲストハウスの裏口を出てすぐ横のおうちで野菜の直売をやってるから食材は簡単に手に入る。
そして立派なキッチンがあったもんだから料理をすることにした。
基本的な調味料はシェアしてくれるから、買ってきたのは食材だけ。
作ったご飯を持ってリビングへ行くと他の宿泊者さんがいたから声をかけてみた。
そこから一緒にご飯を食べながらあれやこれやと話をした。
話してみると実は同い年で、農家での住み込みバイトをしながら季節に合わせて北へ南へと移動して暮らしているっていう、これまでまわりにはいなかった暮らしをしている人ですごく衝撃的だった。
世の中でそういう暮らしをしている人の存在はなんとなーくは知っていても、実際に話をしてるのとでは受ける衝撃がなんか違う。遠いどこかでの話ではなく、ここに、いるんだと。
そんな普段関わることがなかった人と関わるきっかけができるのもゲストハウスのおもしろいところ。
それからマスヤゲストハウスには何度か泊まりに行っていて、あちこちの地域の友人と集まって過ごすこともあった。
キッチンを借りて友人と過ごす時間もすごく好き。
たこ焼き焼き器をお借りしてタコパしてみたり。
おにぎりを握る人、味噌汁を作る人、りんごを切る人、自然とささっと分担して朝ご飯を作って食べたり。
サプライズの誕生日会をやったこともあった。
友だちと2人で行ったときはひとり旅で来ていた人2人と盛り上がって、4人でゲストハウスの消灯後も深夜のお寿司屋さんに飲みに行ったこともあって、翌朝も一緒に銭湯に行ったり味噌汁を飲んだりした。
一人で行っても、友人と行っても楽しいあの”場”。
まだゲストハウスに行った事がない人にどこか勧めるのであればわたしはここをいちばんに挙げる。
はじめてのゲストハウスで緊張して行ったときもヘルパーさんが温かく迎えてくれてすごく安心したから。
人も町もゲストハウス自体も、とてもいいところ。
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その次に行ったのは都内のゲストハウス、toco.
マスヤゲストハウスと同じく東野さんという方がリノベーションして作ったゲストハウス。
古民家とレインボーの階段が特徴的。
仕事終わりにそのまま帰らずゲストハウスに行って宿泊して過ごすことが多い。
ここのすごく好きなところは朝の廊下の光と朝ごはん。
ガラスからもれる光が綺麗で、ここで過ごしてると都内なのに静かで穏やかな朝の時間を味わえる。
そして朝ごはん。チェックインのときに予約をすると用意してもらえる。
シンプルなおにぎりと味噌汁だったんだけど、これがすごくすごくおいしくて。
こういう朝っていいなぁ、って思って生活を見直そうと思った。
toco.のキッチンもいいところで、棚にはフリーで使える調味料がずらり。
スーパーも近くにある。
友人ときたときは一緒にご飯を作ってお酒を飲むのがよきコース。
都内だから外に行けば飲むところはいっぱいあるけど、あえての宅飲み感がいい。
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朝から干物を焼いて食べられるゲストハウスもあった。
熱海にあるマルヤ。
ゲストハウスのお向かいにある干物屋さんで好きな干物を買って、ゲストハウスにあるグリルで焼かせてもらう。
なかなか朝から魚を焼いて食べることがなかったからこれは新鮮。
そしてすっごくおいしい。チェックイン時に予約でご飯と味噌汁もつけられる。
あとここに泊まったときは夜明け前にゲストハウスを抜けて日の出を見に行くのがおすすめ。
夜明け前に出かけるのは寒いけど、その寒い中朝日が出てくるのを待ってるあの時間はすごくいいものだった。
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朝ごはんがよかったゲストハウスといえばここも。
福岡にあった、GAKUBUCHI。
ここもチェックインのときに予約をしたら朝ご飯を用意してもらえた。
その朝ごはんが楽しくて、コンロで自分でパンを焼くの。
「あ!焦げてる!」「こまめに転がして焼こ~」「あっつ!おいしいけどあつ!」「この味噌とあう~」って朝からわいわい。
1時間くらいかけて朝ご飯を食べてた。途中でけん玉をやったりも。
はじめましての他の宿泊者さんとの距離も縮まって、そのままそのあと一緒に町歩きをした。
こういう風に自然と一緒に過ごせるのって楽しくて好きで、それだからゲストハウスにハマってる。
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あとここの朝ごはんもじんわりと癒された。
新潟の沼垂にあるゲストハウス、なり。
おにぎりと味噌汁、たくわん、お茶、どれもとてもおいしかった。
前日にしこたま飲んで過ごしたから余計にこのシンプルな朝ごはんがおいしかった。
前の晩の話はこっちに詳しく書いたから、長いけどよかったら読んで。
新潟出身の友人と一緒に行ってきた新潟だったけど、たくさんの知らない人と一緒に過ごした。
きっかけのひとつはここ、ゲストハウスなり。
ここのリビングのおばあちゃんちの居間みたいな感じ、すごくよかったなぁ。
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知らない人と過ごした思い出というと長野の松本にあるtabi-shiro。
夕飯を食べて帰ってきた後ゲストハウスのバーで飲みながらヘルパーさんと他の宿泊者さんと仲良くなって、ノリで「翌朝アルプスを見に行こう!」って一緒に早起きして出かけた。
天気はちょっとだけ残念で朝日で染まるアルプスは見られなかったんだけど、展望台から見た町は綺麗だった。
そしてゲストハウスに帰って来てから一緒にラジオ体操をして朝ご飯を食べに行った。
ラジオ体操楽しかったな。みんなで朝からすごく笑った。
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いちばん最近行って、すごくよかったのが愛知県の南知多にあるゲストハウスほどほど。
南知多の町が心地よくていいところで、そして迎えてくれたゲストハウスのオーナー夫妻の人柄に心掴まれた。
ここのゲストハウスでのシェアご飯。これがすごくよかった。
みんなで食べるご飯はおいしいし、あの居間は落ち着く。いい空間だった。
そしてなによりここで出会えた子と過ごした時間が楽しくて楽しくて、ゲストハウスをきっかけとした出会いっていいなぁって改めて思った。
それとオーナーさんが着ていたTシャツが福岡のGAKUBUCHIのものだったのもなんだか嬉しかった。
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楽しかったゲストハウスがたくさんで、せっかくなんで振り返ってみました。
次はどこに行こうかな。
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この記事は「ゲストハウス Advent Calendar 2019」の参加記事です。
12月20日を担当しました!