あくまでわたしの場合のね。
なので、単なる体験談です。
もやもやしているどこかの誰かの役に立つかもしれない、と思ってざっくりですが流れをまとめてみました。
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きっかけ
他の人となにか違うという違和感はずっとありました。
・人と上手く付き合えない
・気分のコントロールが下手
・とにかく自信がなく他者依存的
・満たされない
最初に客観視できていたのはこのくらいだったと思います。
そもそも、自分を客観視する、ということ自体をあまり上手くできていなかったです。
なんだかよくわからないけど、いつも人と上手く関わることができない。
集団の中で浮いてしまう。
違う存在として扱われる。
今なら理由がわかるけど、当時は理由がさっぱりわからないままトラブり続けてました。
もちろんその度に悩んではいたし、記憶が薄くてもうあんまり覚えてはいないけど死にたくなったこともあったはず。
そんな小学、中学、高校時代。
大学生の頃は心理学科の人たちとの交流が多かったことと、ネットで悩んでるワードを検索しまくってたのがきっかけで、『あれ?自分がなんか変なのは何か理由があるものなの?』とひたすら自分に当てはまるもの探しをしていました。
『自信がない』『依存してしまう』『生きにくい』『社会不適合』『満たされない』『人の目が見られない』『赤面症』とかあたりをひたすら調べていました。
そこから『アダルトチルドレン』『不安障害』『パーソナリティー障害』とまた違うワードへと繋がり、いろんなチェックリストを試していました。
わたしの生きにくさはなんなんだ?
というのを知りたくて、解決したくて、ただ闇雲にやっていたんですが、このひたすら調べる作業のおかげでようやく自分を客観視することが出来始めました。
言語化できずに把握できずにいたことが、チェックリスト項目を読みながらひとつひとつ『これは当てはまる』『これは当てはまらない』 で振り分けていき、段々と自分の特徴がわかるようになってきました。
この時点で『発達障害』というワードとも出会ってはいたのですが、
■アスペルガー
→他人に興味がないらしい。でもわたしは他人に依存・執着しちゃうくらいだから違う。
■ADHD
→衝動的というのは当てはまるけど、授業中にじっとしていられなくてどこかへ行ってしまうというのはなかったから違う。
と、自己判断をして可能性から外していました。
アスペルガーとADHDが混合しているパターンがあることや、
発達障害の程度は個人差があってグレーゾーンの場合も多いこと、
ADHDの多動性がないADDというものがあること、
このあたりを知らなかったのです。
そもそも大人は対象外…?って感じだったし。
そんなこんなでひたすら自己分析で終わった大学時代。
そのまま社会人生活に突入。
相変わらずたまにトラブる。
相変わらずひたすら調べる。
もやっともやっとしていたところに、3.11の大地震。
わたしは一人暮らしをしていて実家を出ていたのであとから聞かされたのですが、
父は地震の時は自宅にいたのですが職場から帰ってこられずにいる母を心配するでもなく、地震でごちゃごちゃになった家を片付けるでもなく、そのままひとり飲みに出掛けてたそうです。
『大人になった今だから言えるけど…』と母から父の思いやりや常識の無さを熱く語られ、言われてみれば私の父は昔からちょっとおかしかったなー、とここで父について改めて考える。
あれ?父ってアスペルガーの特徴、そのものじゃない?と気づく。
アスペルガー、発達障害について改めて調べ直す。
『大人の発達障害』というものがあると知る。
『発達障害のグレーゾーン』を知る。
『発達障害の混在』『ADD』を知る。
『発達障害の原因のひとつに遺伝がある』を知る。
ネットのチェックリストだけではよくわからなかったし、一度病院での診断を受けてみたいと思いました。
違ったら違ったでいいし、
診断が下ったとしても治せるものではないというのもわかっていましたが、
とにかく知りたい。
知ることによって、また次に何が出来るかが考えられる。
もし診断が下るなら薬やソーシャルスキルトレーニングが試せる。
長くなりましたが、『病院で発達障害を調べてもらおう!』となるまではこんな感じ。
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病院探し
大人の発達障害を診てくれる病院というのは限られているらしい。
しかも予約待ちがすごいらしい。
初っぱなからハードルが高くて、大丈夫か…これ…と思っていたけど、
当時住んでいたエリアと『大人の発達障害』で検索をしていたら、来月から大人向けの発達障害外来を新設する心療内科を発見。
ガクブルしながら電話をかけ、運良く1ヶ月も待たずに予約を取れました。
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病院に行く前の準備
問診票の記入。
何に困っているのか、子どものときの様子とか、親に同じような要素はあるか、とか。
本当は親が一緒に行って小さい頃の様子を話してもらうのがいいらしいんだけど、わたしは親には隠して受診がしたかったからひとりで行きました。
その分、自己分析してきた小さい頃からの自分の要素を箇条書きで書きまとめたものを作っていきました。
これは作っておいて本当によかった。
いざ病院に行ってお医者さんと話そうとしても頭が真っ白になって上手く話せないから、とても役に立ちました。
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自分の要素メモ
ちなみにこんな感じのやつです。
( ) はその時やってる対処を書いておきました。
・時間通りに家を出られない。(部屋のメインの時計を30分早めている)
・考えながら喋れない。思ったままか、適当な感じに喋ってしまう。
・部屋が片付けられない。物をその辺りに置いてしまう。(持ち物を減らした。とにかく床には物を置かないように意識。)
・冗談がわからない。
・空気が読めない。
・忘れ物が多い。(荷物は基本的に出し入れしないで、必要なものは思い出したらその場ですぐに入れる。)
・人の話や、さっきまでやっていたこと、やろうとしていたこと、なんでもすぐに忘れる。(メモを取る。やることリストを作る。)
・集中が出来ない。興味があるはずの映画もライブも気がついたらぼーっとしていて、頭の中で独り言を言っているみたくなってる。
・人の話をずっと聞けない。研修や会議で、話しているのが音としては聞こえているけど意味が全然頭に入らず、いつもすぐに寝てしまう。
・思い込み、勘違いが多い。
・衝動的な行動、衝動買いが多い。思い付いたことをすぐに実行しないと気が済まない。
・なんとかなるだろうと思って後先考えずに動いてしまう。
・保留、待つことが苦手で、すぐに解決できない状態が嫌。
・人の気持ちがわからない。共感が上手くできない。
・相手の立場に立って考えるのが苦手。
・自分視点でばかり考えたり、自分の損得で動く判断をしている。想像力も欠けている。
・興味を持って、やりたいとか知りたいとか思うと、時間を忘れてひたすらそればかりする。
・ルール通りに出来ていないと、すごく気になる。あまり融通がきかない。
・小さい頃からルールを守らないことへの罪悪感が人よりも大きい感じだった。
・気分の上がり下がりが激しい。
・驚きやすい。音や動きへのリアクションが大きい。びくっとなる。
・人と目が合わせられない。
・人に興味を持てない。依存や執着することはあるけど、その人自身を純粋に好きになるということがない。
・飽きっぽい。新しいことをしたがる。引っ越しが多い。
・何か作業をしている最中に他の事も始めてしまう。
・『考え方が0か100で極端』『短絡的思考』『詰めが甘い』と人から指摘された。
わかっている限りのことをひたすら書いておきました。
ちなみにこれは当時ね。
今は今でもうちょっと対処できてることも増えてるはず。
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受診
初回は問診票に書いたことを掘り下げて聞かれる感じ。
やっぱり上手く話せなかったので、印刷していった自分の要素メモを読んでもらいました。
2回目に行ったときには『WAIS-Ⅲ』という心理検査を受けました。
具体的に言うとこれから受ける人に影響が出るかもなので超ざっくり言うと、パズルをやったり、短時間で暗記したり、書いたり、みたいな。
自分の得意分野と苦手分野がはっきりして面白いです。
3回目の通院で、問診と検査結果をもとに診断。
診断結果は、発達障害の要素はあるけどあまり考えすぎずグループワークを通して対処法を考えていきましょう、といった感じでした。
今だから思うけど、ここの先生は苦手でした。
新設されたばかりで慣れてないからかなんだかわからないけど、話したことをひたすらパソコンに打ち込まれてて、…話しにくい。
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病院探し その2
そのあと引っ越しをしたので、また再度病院探し。
このときはSNSのコミュニティーの人とのメッセージで病院情報を教えていただきました。
ここの先生自身がADHDだから気持ちをわかってくれて話しやすいよ、というのが惹かれたので行ってみることにしました。
どのくらいかは忘れちゃったけど、数ヵ月も待たずに予約は取れました。
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受診 その2
流れは最初の病院と一緒。
問診票を書いて、メモを読んでもらって、あと最初の病院で受けたWAIS-Ⅲの検査結果を見てもらいました。
ここの先生は『はっきり出てるねー!』ってあれこれ説明してくれて、『こういうとき、こうじゃない?』って会話をしてくれて話しやすい感じ。
ここでは『ADD』と『アスペルガー』の混在型と診断をされました。
『グループワークも薬もなんでも試してみて実験してみたいです』と話したらやらせてくれる。
同じものを書いて出しても、病院・先生によって全然対応が違うので、話しやすく、自分がどうしていきたいかを一緒に考えてくれる先生を見つけていった方がいいと思います。
それと曖昧なことが苦手なので(0か100思考)、ここでははっきり答えを貰えたのはよかったです。
とはいえ、病院に行って診断されたからといって、それだけではなんにも解決はしないので診断はスタート地点です。
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診断をされることで得られるもの
ほんのひとときだけども、安心感。
自分がおかしいのは自分の努力不足のせいではなかった…!理由があった…!
というもの。
でもこのあとすぐに現実に向き合わなければならなくなります。
発達障害があったとわかったからといって治るものではない。
何も解決はしていない。
生きにくいことには変わりはない。
という絶望感。
こうなるとはわかってはいましたが、やっぱりしばらくは落ち込んだりもやもやしたりしてました。
そのあとは開き直りました。
工夫や努力できることはやって、無理なことは諦める。
診断をされることは必ずプラスになるとは限らないですが、わたしは受診をして診断されてよかったです。
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自立支援医療制度
病院で発達障害を診断され、通院するなら知っておきたい制度。
この制度で通う病院と薬局を登録しておくと診察代とお薬代の自己負担額が1割負担になります。
発達障害の薬というのはやたら高いので有り難い制度です。
詳しくは通院している病院まで。
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お世話になったブログ
何もわからなかった当時、たくさん情報をいただいたブログです。
それと最近読んでいてとてもわかりやすいブログ。
どちらもわたしと同じように悩んだ方々にはおすすめです。
ありがとうございました!
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最後に
ふーっ、…と、まぁ過集中。(ADDあるある)
スマホでポチポチ打ち続けていたら5時間ほど経っていました。
上手く付き合えれば上手く活用できるでこぼこの要素だらけの自分だと思いたいです。
違う発達障害のある先輩にもらったアドバイス。
『短所があるのは仕方ないから、長所を伸ばした方がいいよ』
『短所でまわりに迷惑をかけている分、感謝をしな』
どちらも大事なことだと思いました。
長くなりましたが、発達障害に限らず生きにくさを感じてるときは、まずは自分を知るというのは意味があると思います。
まずは知らないと対処のしようがない。
それと自分を知るには、他者を通さないと見えてこない部分は多いです。
ってことで、こわいけど、上手くいかないけど、傷つくけど、今後も人と関わって生きていくと思います。